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2021/10/14
入院 つれづれ日記 その10
希望より、絶望を抱くほうがたやすい。
今も私の中に時折顔をのぞかせる。
それでも、以前のような頻回さではなくなったけれど。
昨晩それに今朝、久々に私の中に現れて、私の心を支配しようとした。
家で待っている子どもたちを思って泣き、私自身とお腹の子の未来をあれこれ想像して、闇の世界へ簡単に転げ落ちそうになる。
俯瞰的な視点がそれらの想いに気づく。
妄想だ、と考えることもできるようになった。
一度、それらの思いを受け止める。認める。私の中に現れることを許す。
そして、認識する。
これらの想いは、私の意識が生み出したもの。
意識の中で生まれ、膨らみ、やがて衰え、消失していくものにすぎないということ。
感情や思考は次々と生まれては消えゆくもの。
ただそれだけのものとして扱う。
良いこと、悪いこと、どんな想いを抱くにしても、ありのままの私は不変だから、どんな想いがやってきても、変わらないのだということ。だこら、自分にとって良い感情を喜ぶこともなく、否定的な感情を排除することもせず。
そうやって今日も私は淡々と1日を過ごしている。
2021/10/11
入院 つれづれ日記 その9
"ヨガの世界に踏み入るというのは、こうゆうことか!"
夕方、シャワーを浴びている最中に、突然強く心に湧き上がり、同時に強く腑に落ちた感覚が充満した。
全ては繋がっている。
全て導かれている。
幼い頃の苦しい体験が、記憶として今も私の中に大きく居座っているということ。
今、私の人生が、ヨガと関わりを持ったということ。
そしてそれが私にとってはとても重要なものと直感し、他者へ伝えていきたいという想いが芽生えたということ。
けれど同時に、疑念や自分自身に対する自信のなさから、いろんな迷いがあったこと。
そして、今回の病気は、私に、自分自身と向き合えと言っている。
ここまで肉体の不調をきたす状態にならないと、きっと疑い深い私の心は動かなかったのだと思う。
ここまで、ヨガが導いてくれたのだ。
今この病気を経験し、今後もともに歩んでいくことで、私自身に真実を教えようとしてくれているのだ。
私はあるがままの本当の自分自身を取り戻したい。
今、その過程にいる。
全ては繋がっている。
全て導かれている。
だから私は大丈夫だ。
2021/10/06
入院 つれづれ日記 その8
午後になって、窓の外の久々の曇天に気づく。この空に少し救われる。癒やされる。北向きだけど、大きな窓から、森と空がいっぱい広がっていることが嬉しい。
ここ数日の倦怠感に続き、今日はお腹の張りがずっと続いている。起き上がっていることすら、つらい。
こうゆうときは思考は放棄する。その代わり、感覚や感情を、ありのまま感じてみることをする。
気怠さ、頭や体全体の膨張感、熱のこもり、エネルギーがうっ滞しているような感覚。
今は、この身体をゆっくりいたわり慈しんであげるとき。
目を閉じて、ゆっくりと呼吸をする。呼吸とともにエネルギーの流れを感じる。
両腕をクロスして、自分自身をそっと、しっかりと、抱く。
ヨガに出会って、初めて同じことをしたときの感覚を今でもはっきりと覚えている。
自分が、訳のわからない他者を抱いている感じ。もしくは、自分じゃない誰かが、ぎこちなく固まる自分を抱いている感じ。
それが今は、自分の両腕で自分自身を抱いているという感覚がちゃんとある。
自分への愛の深まりを感じている。
2021/10/02
入院 つれづれ日記 その7
早朝、病室のカーテンを開けると、眩しい朝日。台風一過。
朝の雰囲気に包まれながら、今朝も朝のプラクティスを始める。
なぜか、今日は心に焦りの色が湧く。
どうしてだろう、こんなに清々しい日なのに。
じっと、身体の声に耳を澄まし、心と向き合う。
私の身体は、今、倦怠感に包まれている。
ああ、そうか。
この空と、私の心身に、ギャップがあるのだ。
この陰りのない空を見て、それに追いつけと言われているようで、私の心身は追い込まれてしまったのだ。
今朝の空は、私には強すぎた。
だいじょうぶ。私はあなたをちゃんと受け止めるよ、焦らなくていいよと、自分に声をかける。
病室の閉塞感には息が詰まるけど、デイルームのカーテンは今日は半分閉めておこう。
こうゆう、小さな小さな自分の声を、しっかりキャッチしよう。
ささやかなものほど、真実であったりするのだから。